Media 「自走できる人」は、何が違う? 協力会社をリードする側になってわかった、エンジニアの仕事の変化
「協力会社に『これは今、厳しいんじゃないですかね』——正直に言ってもらえるかが、結構ポイントなんです」
そう話すのは、兼松シードポートでプロジェクトリーダーを務める横瀬雄登さんです。
兼松シードポートは、兼松株式会社(以下、兼松)が20年ぶりに着手した基幹システムの刷新を担うために、2025年4月に設立された100%子会社。開発の主戦力として複数の協力会社が入り、社員はそれをリードし、レビューする側に立ちます。
今回話を聞いた横瀬さんと佐藤澄佳さんは、それぞれ異なる立場で協力会社と関わり業務を進めています。二人に共通しているのは、前職では「依頼される側」だったということです。
今回はお二人に、兼松シードポートに入社して立場が変わったことで、仕事の進め方やマインドにどのような変化があったのか、またスキル面での成長についても聞きました。
「もっと自分から動きたい」——二人が兼松シードポートを選んだ理由
――お二人のご経歴と、入社した理由を教えてください。
横瀬:前職は自社のデータベース製品を扱う会社で、エンジニア兼コンサルタントとして働いていました。一次請けの案件が多く、お客様先に常駐しながら、自社側から協力会社を入れることもありました。
転職したのは、データベース以外の領域にも触れてキャリアの幅を広げたかったからです。あとは、兼松シードポートは兼松のグループ会社ということで、ユーザーとの距離が近いことも、魅力として大きかったですね。

――佐藤さんは、いかがですか。
佐藤:私の前職はSIerで、開発を中心に新人教育や進捗管理までいろいろやっていました。転職を考えるようになったきっかけの一つは、当時、納期が厳しいプロジェクトの担当が続いていたことです。改善に向けた取り組みが進みにくい状況もあり、今後の働き方について考えるようになりました。
次に働く職場では、組織やチームを良くしていこうという姿勢の中で、自分の力を発揮したいと思っていました。そんな中で兼松シードポートと出会い、できたばかりの小さい会社だからこそ、組織を一緒に作っていけると思った点が入社の決め手になっています。
また面接で社長の堺と話すなかで、「受け身の姿勢で業務をこなす」というよりも、「自分から業務を見つけていく」という空気感があるなと感じ、良いなと思いました。
「依頼される側」から「リードする側」へ。協力会社と一緒にチームを動かす
――いまはどんな体制でどんな仕事を任されていますか。
横瀬:私は2026年2月に入社し、コーポレートサイドのOracle Cloud EPMを扱うチームに所属しています。PM(プロジェクトマネージャー)が協力会社の方で、私がPL(プロジェクトリーダー)を務めています。配下のエンジニア3名のうち1名が兼松シードポートのメンバーで、2名が協力会社の方という体制で、協力会社をリードするような役回りを担っています。
具体的には、PMの方にはスケジュールやタスクの管理を中心に担当してもらい、私はプロジェクト全体を見ています。業務内容のフォローやメンバーのレビューをしたり、自分も作業者として入ったりという感じです。
EPMは社内に知見が少ない領域なので、経験のある協力会社に入ってもらっています。だから前職と違って、協力会社の方が持つ知識や経験をいかに引き出すかが、私のミッションの一つです。最終的には、自分たちの中に知識を貯めていけるようにと考えています。
――佐藤さんはいかがでしょう。
佐藤:私は2026年4月に入社し、取引先の信用管理を行う与信チームに所属しています。協力会社の方が構築したマネジメント体制のなか、今はイチ開発メンバーとして業務に携わっています。いずれは技術や知見も身につけつつ、リードする側を担えればという立場です。
体制の話に関連しますが、私は業務に入ってすぐ、前職との違いを感じました。
――どういった部分に違いを感じましたか。
佐藤:前職では協力会社の方と関わることが全くない環境だったので、最初はどういう距離感で業務を進めていけばいいのか、ギャップがあったんです。
特に違ったのは、合意を取るプロセスです。前職は開発チームが4〜5人だったので、その場で軽く同意を取って、サクサク進められました。
与信チームのメンバーは人数が多いので、何かあれば上にエスカレーションして、上長同士で協議して、という承認フローがピラミッド式に組まれています。自由に動くというよりは、規律に沿って動くことがここでは重要なんだなと感じています。
今はもどかしさはありますが、いずれは柔軟に動けるような関係性を獲得できたらなと思っています。
協力会社をリードする入口は、絵文字とちょっとした雑談だった

――佐藤さんは、これまでは自社メンバーとの開発が中心だったとのこと。協力会社と一緒になって働くようになって、苦労した点はありますか。
佐藤:最初は、私たちと協力会社が別ラインで動いていて、相手の作業状況が見えなかったんです。その結果、自分がどう動いていいかわからなくなり……考えた結果、こちらから交渉して、相手のチャットチャンネルに入れてもらったんです。
そこでようやく協力会社側の様子が見えて、連携が取りやすくなりました。
――協力会社の方と距離を縮めるために、工夫していることはありますか。
佐藤:すごく小さいことかもしれませんが、絵文字を積極的に使うとかですね(笑)。協力会社の方はオフィスに常駐しているわけではなく、チャットでのやり取りが基本になります。硬い文章だと話しかけにくいかなと思って。
「いいね!」のリアクションをしたり、話しやすい雰囲気を作ることを意識しています。今は業務のボヤキみたいなやり取りもできて、打ち解けられた感覚はありますね!
横瀬:兼松が使っているTeamsに、カスタム絵文字が沢山あるんですよ。協力会社の方とのやりとりは全てオンラインなので、私もなるべくカラフルな絵文字でリアクションしています。
―― 横瀬さんは、やり取りの面でどういった工夫をされていますか。
横瀬:私は一人ひとりと相談をする場面がよくあるので、その時に「もともと話そうとしていた内容以外の話」を、あえて聞くようにしています。具体的には、この先のタスクで気になっているところはないかとか、今抱えている問題はないか、などですね。
仕事を受ける側って、多少厳しくても「やれます」と言ってしまうんですよね。私も受ける側だったのでよくわかります。でも、その無理した結果は、大抵あまり良くない。だから安心して、「これは今、厳しいんじゃないですかね」と言ってもらえる関係を築きたいんです。
安心して働いてもらったうえで、成果を出してもらえたほうが、こちらとしても安心します。
―― 横瀬さんのコミュニケーションの取り方は、かなり工夫が必要なように感じますが、もともと人と話すのが得意なタイプなのでしょうか?
横瀬:いえ、そんなに喋るのは得意な方ではないです(笑)。だからこそ、知識に頼るというか……兼松シードポートでは、福利厚生でオンライン学習プラットフォームのUdemyが視聴できます。移動中によく聴くのですが、その際に心理学やコミュニケーションといったジャンルを視聴して、会話にも活かすようにしています。
自走できる人は、計画とセンサーで動いている

―― 兼松シードポートが求める人物像として「自走できる人」がよく言われています。実務面でいうと、「自走できる」とは何をすることだと考えますか。
横瀬:開発は人と対峙しながら進める世界なので……雑談みたいな感じで気軽に話せる関係を築くコミュニケーション能力は、自走できることの土台として結構大事かなと思います。
あとは、「こういう形でやりたい」という希望を、周りに言えることも重要です。開発はウォーターフォールで決まりきっている部分は多いんですけど、その中でも自ら変えていく必要はあります。
理由を添えて言えばちゃんと周りは受け入れてくれるので、逆にそこが言えないと厳しい部分はあるかもしれません。
佐藤:私が思うのは、先回りして計画を立てて動く力です。後から変えると、相手の工数まで削ることになりかねません。
協力会社に作業をお願いする以上、その先を見据えて「だったら今はこれをやっておかないと」と数歩先を見て動く必要があります。
もう一つ、課題や進捗に対するセンサーを働かせることも大事ですね。どこで遅れが生じているのか、ネックがどこなのかを見分けて、具体的な解決手段まで落としていく。これらは待ちの姿勢ではできないことです。
―― 「課題や進捗に対するセンサー」は、どうやって身につけたものなのでしょう。
佐藤:前職で納期が厳しいプロジェクトを経験したことが大きいです。当時は苦労もしましたが、だからこそ、「どこでこの遅れが発生しているのか」を、常に考えながら進めていました。そこで得た視点が、今の仕事にも生かされていると思います。
また、遅れを取り戻すには、とにかくQA(質問票)を上げることが大事になります。早く上げれば上げるほど、相手にボールが渡るので、作業を早く進められる可能性が高まるからです。
言われた作業をこなす日々から、全体を見て動く日々へ。入社後に変わったもの
―― お二人が兼松シードポートに入社してから、身についたと感じる力はどんな部分でしょうか。
佐藤:大きい組織で動いていく力ですね。組織が大きいと、何かを後から変えるのは大変です。だからあらかじめ計画を練って設計するスキルが身につきました。
あとは技術面だと、開発で使っているOracle APEXは、前職で経験がないところからのスタートでした。協力会社に3年ほど経験のある方がいて、その方に相談したり、AIに聞いたりしながら進めました。
開発を始めて2〜3ヶ月で、ツールを使う力はだいぶついたと思います。
マインド面だと、協力会社の主張も聞きつつ、きちんと線引きをする力も身につきつつあります。時には、「ここまではうちの責任範囲です」といった形で、交渉するメンタルの強さも必要です。
横瀬:私は、「プロジェクト全体を見る」ということが多くなり、視点を変える力が身についたと思います。
マルチベンダーで動いているので、別の協力会社の方の作業が終わらないと兼松シードポート側の作業ができないといったことが、結構あるんです。こうした事態を起こさないよう、定例で情報を集めたり、空いた時間に担当外の領域の資料を見に行ったりしています。
―― 横瀬さんは、DXプロジェクトを立ち上げるところからも関わったそうですね。
横瀬:はい。兼松のDXチームから「グループの課題なんだけど、兼松シードポートでやってみないか?」と話をいただきました。担当部署にヒアリングして提案する形で立ち上げ、先日提案が通り、開発に着手したところです。
前職では扱う製品がデータベースに限定されていたため、「こうやりたい」と思っても実現しづらい部分がありました。それと比べると、今は自分で考えて動ける場面が多く、とてもやりがいを感じています。
―― お二人が、これから兼松シードポートで挑戦したいことを教えてください。
佐藤:最終的にはマネジメント職を目指したいです。ただ、現場から上がった課題をどの手段で解決するかを決めるのは、上に立つ人。技術がわからないと何も決められないので、まずは技術の経験を積んだうえで、マネジメントの仕事をしていきたいですね。
横瀬:私も、技術を理解したうえで管理ができるキャリアを目指しています。それと合わせて挑戦したいのが、兼松シードポートの存在感を上げることです。関わる方たちにも、「この話なら兼松シードポートに聞けばいいよね!」と頼ってもらえるようになりたいですし、もっと大きなプロジェクトの進め方にも、意見できるようになりたいですね。
―― 最後に、この記事を読んで興味を持った方へメッセージをお願いします。
佐藤:兼松シードポートは、やりたいことをやらせてくれる組織だなと思います。こういうキャリアを積んでいきたい、こういうことをやってみたいという要望には、かなり応えようとしてくれる会社です。自分からガツガツやっていきたい人におすすめかなと思います。
横瀬:エンジニアは全員中途なので、みんなそれぞれ転職の課題や悩みがあった上で入っています。今転職を考えている方も、似たような悩みを持って入っている人がきっといるはずなので、わかりあえるメンバーも多いかも。気軽に話しかけてもらえるといいなと思います!